ジュリアス様おめでとう♪

今年もやってきました、8月16日。
そうです。ジュリアス様のお誕生日
毎年大抵夏コミ後で魂が抜けた状態で迎えるこの日ですが、毎年恒例やはり叫んでおかなくては。

ジュリアス様、お誕生日おめでとうございます!

今年はサイトが飛んでしまいましたので、先日の夏コミで無料配布いたしましたペーパーに載せたSS転載にて
お誕生日創作と代えさせていただこうかなと。
超手抜きなお祝いですみませぬ~。
というわけで、追記にSS「月曜日」を。

〖月曜日〗

とある月の曜日の朝のこと。 
クラヴィスは隣でまだぐっすりと寝入っているジュリアスの寝顔を、幸せそうに見つめた。
 出来るならばこのままもう少し寝かせておいてやりたい。
 置かれた時計に目をやると、そろそろ起きて支度を始めねば会議に遅れる刻限だった。
「……ジュリアス」
 意を決して、ジュリアスの耳元で優しく囁いてみる。
 すぐにその声に反応して、青い双眸が間近にいるクラヴィスを見やった。
「起きたか?」
「……ん……」
 覚醒したてのぼんやりした表情が、今自分のいる場所を確認して、時計に目をやりはっとしたものに変わる。
「先に起きていたのならば、なぜもっと早くに起こさぬ?」
 危惧した通りの朝の第一声に、クラヴィスは怒るでもなく呆れるでもなく、当たり前のように答える。
「おまえの方が目覚めが遅いなどとは、思わぬゆえ」
「誰のせいだと思っている」
 八つ当たりにも似た言葉は、照れ隠しの裏返し。
 日の曜日の夜はいつも寂しさを抑えてジュリアスを見送るが、昨夜はどうしても離れがたくて
私邸に帰ると言ったジュリアスを引き留めた。
『おまえが泊まってくれれば明日の会議に遅刻する事もなかろうな』
 そう言うクラヴィスを見やり、迷いを見せたジュリアスをなし崩し的に寝台に押し倒し、迎えた朝がこの結果である。
「やはり、そなたの戯言など聞くのではなかった」
 今更反省しても遅いがと、ジュリアスは心の中だけで呟いてひとつ溜め息をつく。
 隣室では主人と客人が目覚めたのを察知した執事が、朝食をのせたワゴンをすでに用意させており、彼の指示に従って正装を用意して現れた使用人の手を借りて着替えをすませたのは、目覚めてから二十分も経ってはいなかった。
「そなたの家の者達は実に働き者だな。主人がぐーたらだとしっかりするのだろうか」
「そういう理屈ならば、おまえの家の使用人は皆ぐーたらになるはずだが……」
 クラヴィスの軽口を聞かないふりで軽くいなし、ジュリアスは用意された朝食を見て少し息をつき、執事に食事をとる時間はないのだと申し訳なさそうに言う。
 無論執事の方は、そんな事は日常茶飯事なので、改まって詫びられるととかえって恐縮してしまうと答え、丁重に頭を下げる。
 そんなこんなのやり取りで、会議にぎりぎり間に合いそうな時間に、二人は用意された馬車に乗り、宮殿へと出仕した。
 起きてからのやり取りの後、ジュリアスはクラヴィスと口をきこうとせず、馬車の中はひたすら沈黙に包まれる。
 会議の前に目を通そうと、金の曜日から持参していた書類を開くのも今が初めてとなってしまい、ジュリアスの苛立ちは更に募る。
 そんな恋人の姿を隣で見ながら、クラヴィスは目を閉じ隣に座るジュリアスの肩に軽く凭れる。
 人が下調べをしているのに、そなたはまだ眠るつもりなのか!
 と、普段ならば怒鳴り声の一つも飛ばすところだが、肩に触れる温もりが、不思議と気持ちを落ち着けられる事にジュリアスは気づいていた。
 昨夜も流されるようにクラヴィスと夜を共にしてしまったが、結局自分もまた彼と一緒にいたかったのだというのが本当のところ。
 クラヴィスは、いつだって自分の憤りを笑顔で受け止めて、多少の皮肉など意に介さない。
 ここで怒ったら、自分が負けたのを認める気がして、ジュリアスは肩の重みを感じながら、無言で書類に目を通す。



(……ふっ……珍しい。怒らぬのか)
 馬車の揺れが心地よく睡魔を誘う。
 きっと怒鳴られるだろう事を予測して、それでもジュリアスに触れていたくて少しばかり凭れてみたクラヴィスは、敢えて無視の方向を決めたらしいジュリアスの様子に少しばかり出鼻を挫かれた気分になった。
 ちらりと薄目を開け、間近に見える恋人の横顔を見つめると、書類を追った視線が時折考え込むように空を見たり、ふっと眉間に皺が寄ったりしている。
 そんなジュリアスの様子をただ見ているのも、おかしな話だが全く飽きない。
 幼い頃に、机を並べて勉強や執務をしている時も、こんな風にジュリアスを盗み見ていたものだとふと思い出す。
 自分の課題は全く進まなかったけれど、ジュリアスと一緒にいられる事が嬉しかったし、全く進んでいない自分の課題を見て、最初は怒っていたジュリアスが、呆れ顔をしながらも手伝ってくれた事も一度や二度ではない。
 クラヴィスはそんな思い出を脳裏に描きながら、再び目を閉じようとした。
「起きているなら一緒に考えろ」
 目を閉じようとした瞬間、ジュリアスから不機嫌そうな声がかかる。
 ちらりと片目で見上げると、書類から目を外さないジュリアスの横顔が目に入った。
 言われるままに凭れたジュリアスに更に体重を預けて、書類を覗き込むと、ある一点をジュリアスの指が指し示している。
「風と夢のバランスが悪いのではないか?」
 うたた寝をしていたくせに、問題点を一目見ただけで適切な答えを導き出すクラヴィスの考えが、自分と同じものであった事に、ジュリアスは喜びと同時に羨望をも感じる。
「そなたがもっと真面目に執務に励んでくれれば……」
「人には向き不向きというものがある故……な」
 さらりと流して、再び肩に凭れて目を閉じるクラヴィスを見やり、ひとつため息をつく。
「そなたが泰然としている時は、安心していいという事でもあるし……な」
 書類をまとめてファイルにしまう音がする。
「褒美はキスひとつで構わんぞ」
「執務をこなすのは義務だ。一々褒美などねだるものではない」
 宮殿が見えてきたあたりで、クラヴィスは名残惜しそうにジュリアスの肩から離れて欠伸を一つ。
 その時、くいっと髪を引かれ振り向きざまに唇が合わされた。
 軽く二、三度触れ合っただけの軽い口づけだったが、不意打ちを食らって少し驚いた表情をしたらしい。
「朝の挨拶をし忘れたから……な。まだ宮殿に入る前ゆえ、プライベートタイムだ。朝から忘れ物をすると一日気になるだろう?」
 驚いた表情が見られた事が楽しかったのか、少しばかり饒舌なジュリアスの顔はしてやったりと満足げに見えた。
(照れ隠しで笑うおまえもかわいい)
 言葉にすればまた怒るだろう。
 宮殿の門をくぐる直前、クラヴィスもまた軽くジュリアスの唇に自らのそれをあわせた。
「今日もいい一日になりそうだな」
 くすっと笑って見返した柔らかな笑顔が、宮殿に着くと即座に首座の顔に変わる。
 公私混同をしないジュリアスの後ろ姿を見つめながら、今朝の会議をどうやって混ぜっ返してやろうかとクラヴィスは含み笑いで歩いていく。
 自分だけを見つめて怒るジュリアスの瞳もまた美しい。
 クラヴィスにとっては、その瞬間もまた楽しい時間なのだった。

 ああ、すばらしき哉、月曜日。

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